装身具、アクセサリーといっても、素材や技法はいろいろですね。
地元千葉県から参加くださるChizucaさん。
その作る装身具はどのようなものなのでしょう。
Q1
Chizucaさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?
その中で、特に見ていただきたいものがありましたら、加えて教えてください。
A1
草木染めした糸で編んだ装身具を展示します。
秋の実りをイメージしたもの、木の実やどんぐり、
枯れ枝などをモチーフにしたものを中心に飾ります。
栗の皮やイガイガ・どんぐりの皮など秋の恵みから色をいただき、
深いシックな色合いに染め上げました。
らふとのお庭からいただいたよもぎの葉や
コブナ草などでも糸を染めたので、
お庭巡りも楽しみながら作品を見ていただければ嬉しいです。
特に見ていただきたいものは、
幼い頃の記憶や心象風景を表現した言葉と共に、
作品を飾りますので、情景を思い浮かべながら見ていただきたいです。
Chizucaさんの仕事は、まずは染めることと編むこと。
こうして素材を作ることに多くの時間を要します。
全体のトーンは白。けれど、その白が見事にどれも異なって、
独特のグラデーションを奏でています。
聴こえるか聴こえないか、
そんなかそけきことこそ大切に染められた草木染の糸から始まる世界を、
手元でじっくりご覧いただければと思います。
また、今展のために構成された言葉と作品の世界も
とても楽しみですね。
Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、いずれかを教えてくださいますか?
A2
大切にしている本は、人間国宝・志村ふくみさんの著書「色を奏でる」です。
草木染めを始めたころ、伝統工芸展の会場で購入した一冊です。
四季折々の美しい風景写真と合わせて、
志村ふくみさんの言葉のエッセンスが散りばめられています。
ものを作ることに迷いが生まれたり、
一度立ち止まってみようと思ったとき、手にとって読んでいます。
つい最近もふと思い出して読み返してみたところ、
冒頭に今回の「工房からの風」のテーマである草木の生命、
五行について触れられていました。
自然の大きな営みの中では、私の迷いなど取るに足らないものだ、
とふくみさんの紡ぐ言葉にいつも気づかされ、初心に返ることができます。
今年、Chizucaさんは、ここのお庭に何度も通ってくださり、
お庭の手入れのお手伝いもしてくださいました。
その折々に手にされた植物との交流も、きっと今展の実りに。
個々の作品はもちろん、ブース全体から、
それらを感じていただけるのではないでしょうか。
Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。
A3
祖父母の暮らしていた木の家です。
建築を生業にしている父が設計をした家で、
大工だった祖父が庭でカンナ掛けをしたり、
ロフトを祖父が増築している姿が思い出に残っています。
家の中には余った材木がそこかしこに転がっていて、
檜や杉の香りに包まれていました。
子供の頃から木は身近なものだったので、
今でも古い家具には愛着を持っています。
祖母から譲り受けた木のスツールも大切にしていて、
布地を張り替えながら使っています。
「祖父母の暮らしていた木の家」
なんて、すぱっと言えるのってすばらしいですね。
Chizucaさんの今に、脈々とつながっている草や木の営みなんですね。
Chizucaさんの出展場所は、おりひめ神社の奥。
お庭の息吹きも感じながら見ていただけますように。
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